2024.01.09
研究開発

Fate Therapeutics、ヒト上皮細胞増殖因子受容体 2(HER2)陽性の進行固形がん患者を対象にFT825/ONO-8250の第I相臨床試験の開始を発表

本資料は、当社の提携先であるFate Therapeutics社が2024年1月8日(米国現地時間)に発表しましたONO-8250に関するプレスリリースの一部を和訳して、参考資料として提供するものです。和訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。英語原文のプレスリリースは、https://ir.fatetherapeutics.com/press-releases をご参照ください。

Fate社プレスリリース副題および本文の第一段落からの抜粋

(副題)

  • 新規のHER2標的化抗原結合ドメインを含む細胞機能の7つの遺伝子編集を組み込んだiPSC由来CAR-T細胞製品候補です。
  • 小野薬品との提携の下に第I相臨床試験が実施されています。

(本文の第一段落)

 米国カリフォルニア州サンディエゴ、2024年1月8日 – Fate Therapeutics, Inc.(NASDAQ: Fate)は、本日、ヒト上皮細胞増殖因子受容体 2(HER2)を標的とする多重遺伝子編集キメラ抗原受容体(CAR)T細胞製品候補であるFT825/ONO-8250の第I相臨床試験において、患者登録を開始したことを発表しました。Fateは、がんと自己免疫疾患の患者に人工多能性幹細胞(iPSC)由来の免疫細胞療法のファースト・イン・クラスのパイプラインを提供することに専念する臨床段階のベンチャー企業です。このiPSC由来のCAR T細胞製品候補には、新規のHER2標的抗原結合ドメインが組み込まれており、固形がんの治療における特有の課題を克服するように設計されています。FT825/ONO-8250の第I相試験は、小野薬品工業株式会社との戦略的提携の下に実施されています。

第I相臨床試験について

 本試験は、治療歴を有する進行固形がんの患者を対象にFT825/ONO-8250の単剤療法およびモノクローナル抗体療法との併用療法としてFT825/ONO-8250の単回投与を評価するよう設計されています。本試験の用量漸増パートおよび用量拡大パートでは、安全性、忍容性および薬物動態、並びに奏効率、奏効期間と病勢コントロール率による抗腫瘍活性を評価します。

ONO-8250/FT825について

 ONO-8250/FT825は、FateのiPSC製品プラットフォームを用いて設計されたiPSC由来CAR T細胞製品候補であり、ヒト上皮細胞増殖因子受容体 2(HER2)に標的化し、がん選択性を有する新規の抗原結合ドメイン、細胞移行を促進するCXCR2受容体、腫瘍微小環境における免疫抑制シグナルを再指向するキメラ型TGF-β受容体および抗体依存性細胞傷害活性を付与する高親和性/非開裂型のCD16a受容体を含む、細胞機能をコントロールする7つの新規遺伝子編集を組み込むことで、固形がんの治療における特有の課題を克服するように設計されています。
 なお、CARの細胞外抗原結合ドメインに使用している抗体は、東北大学大学院医学系研究科分子薬理学分野(加藤 幸成教授)にて、日本医療研究開発機構(AMED)の先端的バイオ創薬等基盤技術開発事業の成果として取得されたがん選択性を有する新規抗HER2抗体のH2CasMab-2です。

小野薬品工業株式会社とFate Therapeuticsとの創薬提携について

 小野薬品は、2018 年 9 月にFateと締結した iPSC由来のキメラ抗原受容体(CAR)-T 細胞治療薬の創製を目的とする創薬提携契約に基づき、創製した iPSC由来のヒト上皮細胞増殖因子受容体 2(HER2)CAR-T 細胞療法の製品候補品であるONO-8250/FT825を共同開発・商業化するオプション権を2022 年 11 月に行使しております。本オプション権行使により、小野薬品および Fate は、欧米において ONO-8250/FT825を共同開発・商業化するとともに、小野薬品は欧米以外の全テリトリーにおいて独占的に ONO-8250/FT825 を開発および商業化する権利を取得しています。