2024.01.23
研究開発

オプジーボ®とカボメティクス®の併用療法が、進行腎細胞がんのファーストライン治療で評価した CheckMate -9ER試験の4年間の追跡調査において長期的な生存ベネフィットを示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2024年1月22日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストルマイヤーズ スクイブとExelixis社が2024年1月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

オプジーボ®とカボメティクス®の併用療法が、進行腎細胞がんのファーストライン治療で評価した CheckMate -9ER試験の4年間の追跡調査において長期的な生存ベネフィットを示す

  • オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、進行腎細胞がんのファーストライン治療において死亡リスクを23%低減しました。
  • 免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害薬の併用療法の持続的なベネフィットを示す4年間の追跡調査の結果は、ASCO GU 2024で口頭発表されます。

 (ニュージャージー州プリンストン、カリフォルニア州アラメダ、2024年1月22日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY /CEO:クリス・バーナー)と Exelixis (NASDAQ: EXEL)は、本日、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象に、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とカボメティクス(一般名:カボザンチニブ)の併用療法を、スニチニブと比較評価したCheckMate -9ER 試験の4年間の追跡調査の結果を発表しました。オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)スコアのリスク分類にかかわらず、引き続き良好な無増悪生存期間(PFS)と奏効率(ORR)の改善を示しました。併用療法群では、良好な全生存期間(OS)の改善も認められました。オプジーボとカボメティクスの併用療法による健康関連の生活の質の改善を示すデータを含めて、これらの最新のデータは、2024年1月25日~27日に開催される2024年米国臨床腫瘍学会の泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)で口頭発表されます(抄録番号#362)。
 メキシコのInstituto Nacional de Ciencias Médicas y Nutrición Salvador Zubirán泌尿器がんクリニックのMaria Teresa Bourlonは、次のように述べています。「腎細胞がんは治療が非常に困難な場合があり、進行または転移性と診断された患者さんはしばしば予後不良となります。CheckMate -9ER試験の最新のデータは、オプジーボとカボメティクスの併用療法が死亡リスクを23%低減させるなど、複数の試験評価項目における持続的な有効性を示し、この深刻な疾患に対する重要なファーストライン治療の選択肢として、引き続きその役割を裏づけるものです。」
 中央値55.6カ月間(最短48.1カ月間)の追跡調査において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)は、スニチニブ群(328例)と比較して、以下の有効性の評価項目で引き続きベネフィットを示しました。

  • PFS (主要評価項目):オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続きPFSの中央値を2倍近く延長しました(併用療法群16.4カ月 vs スニチニブ群8.4カ月 [ハザード比(HR)0.58;95% 信頼区間(CI): 0.49 - 0.70]。
  • OS (副次評価項目):併用療法群は、スニチニブ群と比較して、OSの中央値(併用療法群46.5カ月、スニチニブ群36.0カ月)を改善し、持続的な生存ベネフィットを示しました(HR 0.77; 95% CI: 0.63 - 0.95)。
  • ORR (副次評価項目):併用療法群は、スニチニブ群と比較して、持続的な奏効率の改善を示し、ORRは2倍でした(併用療法群55.7% vs スニチニブ群27.7%)。
  • 完全奏効(CR):併用療法群は、スニチニブ群と比較して、引き続きCRベネフィットを示し、CRを示した患者数は3倍でした(併用療法群13.6% vs スニチニブ群4.6%)。
  • 奏効期間 (DOR):併用療法群は、スニチニブ群と比較して、DORの中央値を延長しました(併用療法群22.0カ月 vs スニチニブ群15.2カ月)。
  • 安全性:今回の追跡調査での解析において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。全患者集団において、グレードにかかわらず、治療に関連する有害事象(TRAE)が、併用療法群の97.5%、スニチニブ群の93.1%に認められました。グレード3以上のTRAEは、併用療法群で67.5%、スニチニブ群で55.3%でした。
 さらに、探索的解析では、低リスク、および中/高リスクを含むすべてのリスク分類の患者集団において、持続的かつ臨床的に意義のあるベネフィットが認められました。結果は以下の通りです。
  • OS:中および高リスクの患者集団では、OSの中央値は併用療法群で43.9カ月、スニチニブ群で29.3カ月でした(HR 0.73;95% CI: 0.58 - 0.91)。低リスクの患者集団においては、OSの中央値は、併用療法群で52.9カ月、スニチニブ群で58.9カ月と同程度でした(HR 1.10;95% CI: 0.69 - 1.75)。
  • PFS:中および高リスクの患者集団でPFSの改善を示し、PFSの中央値は、併用療法群で15.4カ月、スニチニブ群で7.1カ月でした(HR 0.56;95% CI: 0.45 - 0.68)。低リスクの患者集団でも、PFSの改善を示し、併用療法群で21.4カ月、スニチニブ群で12.8カ月でした(HR 0.69;95% CI: 0.48 - 1.00)。
  • ORR:中および高リスクの患者集団において、ORRは併用療法群で52.6%、スニチニブ群で23.0%と2倍以上となりました。低リスクの患者集団のORRは、併用療法群で66.2%、スニチニブ群で44.4%でした。
  • CR:中および高リスクの患者集団において、併用療法群では、CRを達成した患者数がスニチニブ群の3倍以上となりました(併用療法群12.9% vs スニチニブ群3.5%)。低リスクの患者集団において、CRを達成した患者数は、併用療法群で2倍となりました(併用療法群16.2% vs スニチニブ群8.3%)。
  • DOR:両方の患者集団において、併用療法群ではDORの中央値も改善を示しました。中および高リスクの患者集団において、DORの中央値は併用療法群で23.1カ月、スニチニブ群で13.8カ月でした。低リスクの患者集団において、DORの中央値は併用療法群で18.7カ月、スニチニブ群で17.8カ月でした。
 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「未治療の進行または転移性腎細胞がん患者さんにとって、疾患管理と生存期間の延長を実現できる治療選択肢が依然として必要とされています。私たちは、泌尿生殖器がんに限らず進行がんの患者さんのアウトカムの改善に向けたコミットメントに基づき、この2つの特有のモダリティを組み合わせることで、オプジーボとカボメティクスの併用療法という新たな標準治療を確立しました。4年以上の追跡調査のデータは、リスク分類にかかわらず、進行腎細胞がんと診断された患者さんの生存期間を延長できる可能性がある泌尿生殖器がんの治療パラダイムにおけるオプジーボの併用療法の価値を裏付けるものです。」
 Exelixis社の製品開発部門・メディカルアフェアーズ部門のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高医学責任者であるAmy Peterson(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -9ER 試験の結果は、未治療の進行腎臓がん患者さんに長期的な生存ベネフィットの希望をもたらします。オプジーボとカボメティクスの併用療法が、リスク分類にかかわらずこの患者集団において、4年間の追跡調査で引き続き持続的かつ臨床的に意義ある有効性を示し、この疾患における標準治療としてのレジメンの価値を裏づけることができたことをうれしく思います。カボメティクスとオプジーボの併用療法が、骨、肝臓および肺への転移を含む、治療が困難な部位に疾患を抱える患者さんにおいて、良好なPFSおよびOSベネフィットを示したことにも勇気づけられます。ブリストル マイヤーズ スクイブとの連携で得られたこれらの有望な知見は、学術界と協力して進行がん患者さんの治療レジメンの進展に取り組む私たちのコミットメントを明確に示すものです。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブおよびExelixis社は、CheckMate -9ER臨床試験に参加していただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

CheckMate -9ER試験について

 CheckMate -9ER試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象とした多国籍共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。患者651例(低リスク:23%、中リスク:58%、高リスク:20%;PD-L1発現レベル1%以上:25%)は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)またはスニチニブ群(328例)に無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。主要な有効性解析は、無作為化された全患者における2剤併用療法群とスニチニブ群との比較です。本試験は、ブリストル マイヤーズ スクイブおよび小野薬品工業株式会社がスポンサーとなり、Exelixis社、Ipsen Pharma社および武田薬品工業株式会社が共同出資を行っています。

腎細胞がんについて

 腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で431,000人以上の方が新たに診断され、179,000人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍多く発症し、北米と欧州で罹患率は特に高くなっています。診断時には、最大30%の患者さんが進行または転移性RCCです。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プログラムにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。
 オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

カボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)について

 カボメティクス錠は、米国では進行腎細胞癌患者、ソラフェニブによる治療歴を有する肝細胞癌患者、ニボルマブとの併用による進行腎細胞癌患者のファーストライン治療、および以前にVEGFR標的療法後に病勢進行し、放射性ヨード不応性または不適格な局所進行性または転移性分化型甲状腺癌の成人および12歳以上の小児患者の治療薬として承認を取得しています。また、カボメティクス錠は、欧州連合および世界中の他の諸国と地域でも承認を取得しています。2016年に、Exelixis社はカボザンチニブの米国および日本以外の地域における臨床開発および販売の独占的権利をIpsen Pharma社に供与しました。また2017年に、Exelixis社はカボザンチニブの日本における適応拡大を含めた臨床開発および販売の独占的権利を武田薬品工業株式会社に供与しました。Exelixis社は、米国におけるカボザンチニブの開発および販売の独占的権利を保有しています。

オプジーボとカボメティクスの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボとカボメティクスの併用療法の適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

Exelixis社について

 Exelixis社は、がん治療の最前線で次世代の医薬品と治療法を刷新する、がんに特化した意欲的な世界的企業です。創薬と開発に秀でた両沿岸地域のセンターを基盤に、低分子化合物、抗体薬物複合体、その他のバイオ医薬品を臨床的に区別したパイプラインによって拡大する一連の腫瘍型と適応症を標的にするため、製品ポートフォリオを迅速に進化させています。 この包括的なアプローチでは、研究プログラムを勧め、当社の主力製品であるカボメティクス®(カボザンチニブ)の影響を拡大するために、数十年にわたって当社の科学とパートナーシップに手堅い投資を行ってきました。Exelixis社は、より多くの患者さんに未来への希望を与える革新的な治療法を創り出すという果敢な科学的探求を原動力としています。当社と、がん患者さんが回復して丈夫になって長生きできるように支援するという、その使命に関する情報については、www.exelixis.com をご覧くださるか、Twitter( @ExelixisInc )、Facebook( Exelixis, Inc. )、LinkedIn( Exelixis )でフォローしてください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、オプジーボ®(ニボルマブ)とカボメティクス®(カボザンチニブ)の併用療法が商業的に成功するかどうか、販売承認が得られたとしてもその使用が著しく制限される可能性、また本プレスリリースに記載されたそのような適応症に対するそのような併用療法の継続的な承認が、追加の検証試験において臨床的ベネフィットを証明し、記載することができるかは不明であるという点が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。