2024.01.29
研究開発

進行または転移性淡明細胞型腎細胞がんを対象としたCheckMate -67T試験において、オプジーボの皮下注(ニボルマブとヒアルロニダーゼ)がオプジーボ点滴静注に対して非劣性を示す

 本資料は、小野薬品工業と戦略的提携契約を締結しているブリストル マイヤーズ スクイブが2024年1月27日(米国現地時間)に発表した英語原文のプレスリリースを和文抄訳として提供するものです。和文抄訳の内容につきましては、英語原文が優先されます。
 英語原文のプレスリリースは、https://www.bms.com/media/press-releases.html をご覧ください。


本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2024年1月27日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

進行または転移性淡明細胞型腎細胞がんを対象としたCheckMate -67T試験において、オプジーボの皮下注(ニボルマブとヒアルロニダーゼ)がオプジーボ点滴静注に対して非劣性を示す

  • CheckMate -67T試験は、オプジーボ点滴静注製剤と比較して、薬物動態と有効性におけるオプジーボの皮下注製剤の非劣性、および安全性を評価し、それらの非劣性および安全性を示した最初の第Ⅲ相試験です。
  • オプジーボの皮下注は、オプジーボ点滴静注と比較して、薬物動態(2つの主要評価項目)および奏効率(検出力のある主な副次評価項目)において非劣性を示しました。
  • 第Ⅲ相CheckMate -67T試験の結果は、ASCO GU 2024でlate-breaking演題として口頭発表されます。これは、オプジーボの皮下注製剤に関する初めての発表となります。

 (ニュージャージー州プリンストン、2024年1月27日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/ CEO:クリス・バーナー)は、本日、全身療法による治療歴を有する進行または転移性淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者を対象に、Halozyme社の組み換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)を配合したオプジーボ(一般名:ニボルマブ)の皮下注製剤(以下「オプジーボの皮下注」)をオプジーボ点滴静注(IV)と比較評価した第Ⅲ相CheckMate -67T試験において、オプジーボの皮下注が、2つの主要評価項目であるCavgd28(初回投与後28日目までのオプジーボの平均血清中濃度)およびCminss(定常状態における最低血清中濃度)においてオプジーボ点滴静注に対する非劣性を示したデータを初めて公表したことを発表しました。また、オプジーボの皮下注は、盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)においてオプジーボ点滴静注に対する非劣性も示しました。これらの結果は、2024年1月25日~27日に開催される2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)泌尿器がんシンポジウムにて、late-breaking演題として口頭発表されます(抄録番号#LBA360)。
 Roswell Park Comprehensive Cancer Center内科部門の腫瘍内科教授兼ネットワーク臨床試験ディレクターであるSaby George(M.D.、F.A.C.P.)は、次のように述べています。「組み換えヒトヒアルロニダーゼを配合したオプジーボの皮下注のCheckMate -67T試験の結果は、医師や患者さんにとって、がん研究における画期的な進歩を示しています。免疫療法薬を皮下投与する選択肢があることは、がんと診断された患者さんが現在抱えている治療の負担を間違いなく減らすことができる上、ヘルスケアシステムを最大限に効率化することもできます。現状では、免疫療法薬の点滴静注は貴重な時間を費やすことになり、時間は患者さんにとっても治療する側の医師にとっても大変貴重なものです。だからこそ、オプジーボの皮下注が非劣性を示した今回の結果は、診療に変化をもたらし、5分以内に、また場合によっては点滴施設外で投与できる1回の注射により患者さんの治療を改善できる可能性があります。」

 CheckMate -67T試験では、進行または転移性ccRCC患者を対象に、オプジーボの皮下注群(248例)をオプジーボ点滴静注群(247例)と比較評価しました。

  • Cavgd28:初回投与後28日目までの平均血清中濃度において、オプジーボ点滴静注群に対するオプジーボの皮下注群の非劣性が示され、幾何平均比は2.098(90%信頼区間 [CI]: 2.001 - 2.200)でした。
  • Cminss:定常状態における最低血清中濃度において、オプジーボ点滴静注群に対するオプジーボの皮下注群の非劣性が示され、幾何平均比は1.774(90% CI: 1.633 - 1.927)でした。
  • ORR:主な検出力のある副次評価項目であるBICRの評価によるORRにおいても、オプジーボの皮下注群の非劣性が示され、ORRは、オプジーボの皮下注群で24.2%、オプジーボ点滴静注群では18.2%でした(相対リスク比 [RR] 1.33;95% CI: 0.94 - 1.87)。
  • PFS:BICRの評価によるPFSの中央値は、オプジーボの皮下注群は7.23カ月、オプジーボ点滴静注群は5.65カ月でした。
  • 安全性:オプジーボの皮下注群の安全性プロファイルは、オプジーボ点滴静注群のものと一貫していました。オプジーボの皮下注群の局所注射部位反応の発現率は8.1%でした。また、低グレードであり一過性でした。グレード3~4の有害事象(AE)の発現率は、オプジーボの皮下注群(247例)では35.2%で、オプジーボ点滴静注群(245例)では40.8%でした。治療に関連したAEの発現率は、オプジーボの皮下注群で9.7%、オプジーボ点滴静注群では14.7%であり、重篤なAEの発現率は、オプジーボの皮下注群で21.1%、オプジーボ点滴静注群では22.9%、治療に関連した重篤なAEの発現率は、両群ともに6.5%でした。

 ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼グローバル開発プログラム責任者であるGina Fusaro(Ph.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -67T試験のこれらの結果は、固形がんにおける免疫療法の使用に関する私たちの深い科学的知見、および患者さんの生活の質を向上を探究するという当社のコミットメントに基づいています。今回、オプジーボの皮下注を評価した最初の研究がオプジーボ点滴静注に対する非劣性を示し、オプジーボの皮下注が新たな選択肢としてヘルスケアを効率化できる可能性を後押ししたことを発表できるのを非常にうれしく思います。利便性の観点で、免疫療法薬の皮下投与は重要な利点であり、私たちはこの治療法が患者さんの負担を軽減し、患者さんと医療提供者に多大な柔軟性をもたらす可能性に期待しています。私たちは複数のがん腫を対象に、オプジーボの皮下注に関する次のステップについて規制当局と協議する予定です。」
 ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -67T臨床試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

CheckMate -67T試験について

 CheckMate -67T試験は、全身療法による治療歴を有する進行または転移性淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)患者を対象に、Halozyme社の組み換えヒトヒアルロニダーゼ(rHuPH20)を配合したオプジーボの皮下注製剤/オプジーボの皮下注(ニボルマブとヒアルロニダーゼ)をオプジーボ点滴静注と比較評価した第Ⅲ相無作為化非盲検試験です。本試験により、患者へのオプジーボの皮下注製剤の提供が実現する可能性があります。患者495例が、オプジーボの皮下注群またはオプジーボ点滴静注群のいずれかに無作為に割り付けられました。本試験の2つの主要評価項目は、オプジーボ点滴静注との比較による、オプジーボの皮下注の初回投与後28日目までの平均血清中濃度(Cavgd28)および定常状態における最低血清中濃度(Cminss)です。奏効率(ORR)は、本試験の副次評価項目です。

腎細胞がんについて

 腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で431,000人以上の方が新たに診断され、179,000人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍多く発症し、罹患率は北米と欧州で特に高くなっています。淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)はRCCの中で最も多い型であり、RCC患者の10人中7人が罹患します。転移性または進行期の腎臓がんと診断された患者の5年生存率は14%、切除可能な限局性腎細胞がん患者の5年無病生存(DFS)率は50%超です。

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
 がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

オプジーボについて

 オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
 業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連の PD-L1 の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
 オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

オプジーボの適応症および安全性情報について

 米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について

 2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.com をご覧くださるか、LinkedIn 、Twitter 、YouTube 、Facebook および Instagram をご覧ください。

将来予測等に関する記述の注意事項

 本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、Halozyme社のrHuPH20との配合剤であるオプジーボ(ニボルマブ)の皮下注が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られたとしても、その使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような配合剤が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。