米国 Shattuck社と二価機能性融合タンパク質の創製に関する創薬提携・オプション契約を締結
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下「当社」)は、本日、Shattuck Labs, Inc.(本社:米国、テキサス州オースティン、CEO:Taylor Schreiber、以下「Shattuck社」)と自己免疫疾患・炎症性疾患に関与する標的に対する二価機能性融合タンパク質の創製に関する創薬提携・オプション契約を締結しましたので、お知らせします。
本契約の締結に基づき、Shattuck社は独自の改変タンパク質の創製技術を用いて、標的に対する融合タンパク質を創出し、さらなる最適化と臨床開発のための医薬品候補を当社に提供します。当社は本提携により創出される複数の医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化するためのオプション権を取得します。当社はShattuck社に対して研究資金を支払うとともに、契約一時金、研究開発および売上高の進捗に応じたマイルストンを総額で最大2.27億米ドル、ならびに上市後の売上高に応じた段階的なロイヤルティをShattuck社に支払います。
二価機能性融合タンパク質は、疾患に関連する二種類の標的を制御するものです。Shattuck社がこれまでに実施した非臨床試験において、その免疫制御作用が確認されており、幅広い自己免疫疾患・炎症性疾患に有効性を示すことが期待されます。
当社の取締役 専務執行役員 研究本部長である滝野 十一は、次のように述べています。「私たちは、幅広い疾患において未だ満たされていない医療ニーズに応えるため、バイオ医薬品の創製に積極的に取り組んでいます。Shattuck社独自の改変タンパク質の創製技術は、これまでの技術では困難であった治療標的に対する機能的なタンパク質の創製を可能にするものであり、Shattuck社の研究開発力と専門知識を高く評価しています。今回の提携契約を通じて、Shattuck社の研究チームと協働できることを大変うれしく思います。私たちは、Shattuck社が創出した二価機能性融合タンパク質を私たちのポートフォリオに加え、自己免疫疾患・炎症性疾患の患者さんに革新的な医薬品を一日も早くお届けできるよう取り組んでまいります。」
Shattuck社のCEOであるTaylor Schreiberは、次のように述べています。「私たちは、科学的イノベーションの実績を有する小野薬品との協働を開始できることをうれしく思います。この提携は、複雑な融合タンパク質に関する私たちの創製技術と開発における専門知識が高く評価されたことで実現に至ったと考えています。私たちは、引き続きアンメットニーズの高い疾患領域をより広く網羅するために、一部の前臨床パイプライン候補については自己免疫疾患および炎症性疾患を優先領域として取り組んでいます。今回の提携は、私たちの二価機能性融合タンパク質プラットフォームと科学的な専門知識からさらなる価値を生み出す私たちの戦略を推進するものです。」
Shattuck Labs, Inc.について
Shattuck Labs, Inc.(NASDAQ: STTK、以下「Shattuck社」)は、がんや自己免疫疾患の患者の治療のための新しい種類のバイオロジクス医薬品として、二価機能性融合タンパク質の開発を先駆的に行っている臨床段階のバイオテクノロジー企業です。Shattuck社独自のプラットフォームであるARC®(Agonist Redirected Checkpoint)に由来する化合物は、単一の治療薬でチェックポイント分子を阻害するとともに、同時に共刺激分子を活性化するよう設計されています。同社の主力プログラムであるSL-172154(SIRPα-Fc-CD40L)は、免疫チェックポイント分子であるCD47を阻害し、同時にCD40経路を活性化するように設計されており、複数の第一相臨床試験で評価されています。
Shattuck社はテキサス州オースティンに本社を置き、ノースカロライナ州ダーラムに事務所を構えています。詳細な情報については、https://www.shattucklabs.com/ をご参照ください。