抗てんかん剤「エキスコプリ®錠(セノバメート)」のてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する効能・効果で国内製造販売承認を取得
- てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する国内製造販売承認を取得
- 国際共同第3相試験において、既存治療との併用療法で主要評価項目「発作頻度の変化率」を有意に改善し、管理可能な安全性プロファイルを確認
- てんかん患者の部分発作に対する治療選択肢の一つとなる
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長COO:滝野 十一、以下「当社」)は、本日、エキスコプリ®錠(一般名:セノバメート)12.5 mg/50 mg/100 mg/200 mg(以下「エキスコプリ」)について、「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」の効能・効果で国内製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。
今回の承認は、既存の抗てんかん発作薬による治療でコントロール不良な部分(焦点)発作を有するアジア人患者を対象とした国際共同第3相試験(YKP3089C035試験)の結果に基づいています。本試験において、エキスコプリと既存治療の併用療法は、既存治療と比較して、主要評価項目である発作頻度の変化率(中央値)を統計学的に有意に改善しました。また、管理可能な安全性プロファイルも確認されました。
YKP3089C035試験について
韓国、中国および日本で実施されたプラセボを対照とした国際共同第3相二重盲検無作為化比較試験であり、1~3種類の抗てんかん発作薬の投与にもかかわらず部分(焦点)発作を有する18~70歳の成人を対象に、エキスコプリの併用療法としての有効性および安全性を評価しました。この試験では、患者さんを併用療法としてプラセボ群か、エキスコプリを100、200もしくは400 mgを1日1回投与する群に1:1:1:1の比率で無作為に割付けました。
エキスコプリは有効性に関する主要評価項目を達成し、すべての用量群において6週間の維持期での発作頻度の変化率(中央値)がプラセボ群に比べて有意に減少しました。エキスコプリの400 mg群では6週間の維持期での発作頻度が100%減少しました(プラセボ群:25.9%、エキスコプリ:100 mg群で42.6%、200 mg群で78.3%、400 mg群で100%)。
有効性の副次評価項目では、エキスコプリのすべての用量群において6週間の維持期での発作消失率※がプラセボ群に比べて有意に高いことが示されました(プラセボ群:2.6%、エキスコプリ100 mg群で12.4%、200 mg群で30.1%、400 mg群で52.4%)。エキスコプリ投与群で多く認められた有害事象(20%以上)は浮動性めまいおよび傾眠でした。
なお、本試験結果は、2024年米国てんかん学会(AES)年次総会のポスターセッションで発表されました1)。
※てんかんの治療目標とも一致する発作消失率について、既存の抗てんかん発作薬の併用療法における発作消失率は最大でも6.4%程度と報告されています2)。
てんかんについて
てんかんは、脳の神経細胞の異常な興奮により発作が起こる脳の慢性疾患です。日本では、約100万人のてんかん患者さんがいると言われ3)、長期的な薬物療法を必要とします。既存の抗てんかん発作薬を使用しているにもかかわらず、約30%の患者さんがてんかん発作を十分にコントロールできず4)5)、新たな抗てんかん発作薬が期待されるアンメットメディカルニーズの高い疾患です。
エキスコプリ®錠の概要
| 製品名 | エキスコプリ®錠12.5 mg/50 mg/100 mg/200 mg | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 一般名 | セノバメート | ||||||||||||||
| 効能・効果 | てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む) | ||||||||||||||
| 用法・用量 |
通常、成人にはセノバメートとして、12.5 mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、以下に示す用量を2週間以上の間隔をあけて1段階ずつ増量し、維持用量は1日1回100~200 mgとする。なお、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、200 mgを超える用量への増量は2週間以上の間隔をあけて50 mgずつとし、最高用量は1日1回400 mgまでとする。
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| 製造販売 | 小野薬品工業株式会社 | ||||||||||||||
| 承認取得日 | 2026年9月16日 |
エキスコプリについて
エキスコプリが治療的効果をもたらす詳細な作用機序は不明ですが、電位依存性ナトリウム電流を阻害することにより、反復的な神経発火を減らすと考えられています。また、γアミノ酪酸 A型(GABAA)イオンチャネルの正の調節作用があります。エキスコプリは、てんかん治療の目標である発作消失につながる有効性を臨床試験で示しており、新たな治療選択肢になるものと期待されています。
2026年9月現在、エキスコプリは欧米を含む世界45以上の国または地域でてんかんの部分発作に対する治療薬として承認されています(欧州ではONTOZRY®の製品名で販売されています)。
なお、国内において、当社はエキスコプリの成人および青年期のてんかん全般性強直間代発作を対象とする第3相臨床試験、ならびに、小児のてんかん部分発作を対象とする第3相臨床試験を実施中です。
SK Biopharmaceuticals Co., Ltd.との提携について
当社は、2020年に抗てんかん薬(ASM)エキスコプリを創製、開発したSK Biopharmaceuticals Co., Ltd.(本社:韓国、京畿道)とライセンス契約を締結し、日本でエキスコプリを独占的に開発および商業化する権利を取得しています。SK Biopharmaceuticals 社とその米国子会社であるSK Life Science Inc.社は、中枢神経系疾患の治療薬の研究、開発および商業化に注力するグローバル製薬企業です。両社は、てんかんを含む中枢神経系疾患の治療薬として7つの開発化合物で構成されるパイプラインを有しています。また、SK Biopharmaceuticals 社はがん領域の早期研究にも注力しています。
詳しくは、SK Biopharmaceuticals 社のウェブサイト( www.skbp.com/eng )およびSK Life Science Inc.社のウェブサイト( www.SKLifeScienceInc.com )をご覧ください。
参考文献:
- Sunita N Misra, Louis Ferrari, Zhen Hong, et.al., A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Multicenter Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Adjunctive CENOBAMATE in Asian Patients with Focal Seizures. AES 2024.
- French JA. Cenobamate for focal seizures — a game changer? Nat Rev Neurol. 2020;16:133-4.
- 公益社団法人 日本てんかん協会(2025年8月26日参照)
入手先:https://www.jea-net.jp/epilepsy - 井上有史.日本てんかん学会ガイドライン作成委員会.日本てんかん学会ガイドライン作成委員会報告 成人てんかんにおける薬物治療ガイドライン.てんかん研究.2005;23:249-53.
- Brodie MJ, Barry SJ, Bamagous GA, Norrie JD, Kwan P. Patterns of treatment response in newly diagnosed epilepsy. Neurology. 2012;78:1548-54.