米国Jorna Therapeutics社とRNA編集技術を用いた医薬品創製に関する研究提携を開始
- 小野薬品とJorna社はAI技術を用いた医薬品創製に関する研究提携を開始
- 小野薬品は、Jorna社が設計したRNA編集医薬品の配列を基に全世界で独占的に創薬、開発および商業化できるオプション権を保有
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:滝野 十一、以下「当社」)は、Jorna Therapeutics, Inc.(本社:米国、マサチューセッツ州ケンブリッジ、最高経営責任者:Chengwei Luo、以下「Jorna社」)と、2024年12月にJorna社独自のリボ核酸(RNA)編集プラットフォームを活用した医薬品創製に向けた研究提携契約を締結しました。この度、本技術の検証が完了し、医薬品候補となる核酸配列の探索を開始したことをお知らせします。
本契約に基づき、Jorna社は量子力学に基づく人工知能(AI)技術であるSkyEngineを基盤とした独自のタンパク質およびRNA生成AIモデルを用いてRNA編集医薬品の配列を設計します。当社はJorna社が設計した配列を基に、全世界で独占的に創薬、開発および商業化できるオプション権を有します。当社は、Jorna社に対して支払い済みの契約一時金に加え、研究費、研究の進捗に応じたマイルストンを支払います。
当社の執行役員 研究本部長である勝又 清至は、次のように述べています。「私たちは、大規模なアミノ酸配列情報および言語モデルを組み合わせて、目的とするタンパク質を設計するJorna社特有の生成AI技術を高く評価しています。この提携を通じて、RNA編集技術を用いた医薬品の研究・開発を加速させ、医療ニーズが満たされていなかった世界中の患者さんに新たな治療選択肢をお届けしたいと考えています。」
Jorna社の創設者であり、最高経営責任者であるChengwei Luoは、次のように述べています。「小野薬品と協力し、患者さんに画期的な治療薬を提供するという共通のビジョンを推進できることを嬉しく思います。今回の提携により、小野薬品のグローバルなリソースと専門知識を活用し、RNA編集技術を活用した治療薬の上市に向けた取り組みが加速されることを期待しています。」
Jorna TherapeuticsのRNA編集プラットフォームについて
JornaのRNA編集プラットフォームは、独自のタンパク質およびRNA生成AIモデルを使用して開発され、これまでアクセスできなかった標的RNAに効率的かつ安全に編集を加えることができます。このプラットフォームの基盤となるAI技術であるSkyEngineは、タンパク質や小分子内外の原子間相互作用を分析することで、配列を特定・設計することができ、効率的にRNA編集を行うために必要なタンパク質を正確に設計することを可能にします。
Jorna Therapeuticsについて
Jorna社は複数のアプローチで標的RNAに対して変異を導入する技術を開発するバイオテクノロジー企業です。AIモデルと高度なハイスループットシステムによりデザインされた独自のRNA編集技術を活用することで、これまでに治療選択肢がなかった患者さんに対して革新的な治療法を提供することを目指しています。詳細については、www.jornatx.com をご覧ください。
小野薬品工業株式会社について
小野薬品工業株式会社は、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、革新的な医薬品を提供することで世界中の患者さんに貢献し続けることを目指しています。がん、免疫、神経などを重点領域として定め、アカデミアやバイオベンチャーと積極的な創薬提携を行うことでアンメットメディカルニーズに応える画期的な医薬品の創製に挑戦しています。グループ会社であるDeciphera Pharmaceuticalsを通じて、米国および欧州での臨床開発と販売活動を加速させ、多くの患者さんに当社グループ製品をお届けるできるようグローバル事業展開を推進しています。詳細については、https://www.ono-pharma.com/ja をご覧ください。